ポルトガルの映画「熱波」とカルロト・コッタ

ポルトガル

熱波ですか?っていうくらい暑い毎日です。熱波と言うと思い出す、「熱波」という映画があります。

2012年のポルトガルの映画で、監督はミゲル・ゴメスこの映画、撮り方が今までにない感じで観終わった後にかなり余韻が残る映画です。映画は2部構成になっています。

第1部は今のリスボンを舞台とした「楽園の喪失

ピラール(テレーザ・マドルーガ)はカトリックの平和活動に参加したりもするけど、ちょっとストレスも抱えています。

隣人である80代のアウロラ(ラウラ・ソヴェラル)は、お金があればカジノに入り浸っているし、会ってくれない娘の話しをしてくる。

このアウロア、見るからに孤独で虚しさ漂ってます。アウロアは抗うつ剤の後遺症で、メイドのサンタ(イザベル・カルドーサ)が自分にヴァ―ドゥの呪いをかけてると疑っています。年齢的な要素もかなりありそうです。

そんなアウロラは病に倒れ、サンタにヴェントゥーラ(エンリケ・エスピリト・サンタ)を探してほしいと。。

楽しそう人は誰もいなく、淡々とした話しで盛り上がりはないですが、断片的な行動や話しぶりでそれぞれの考え方や生活が分かります。

これを見ているとどの人が正しいとかではなくて、それまでの育ち方や自然と身についてしまうものは大きいと感じます。

第1部は特別面白いと言うわけでもないですが、なくてはならない話しです。

第2部は植民地時代のアフリカを舞台とした過去の話しの「楽園

セリフはなく、音楽とモノローグだけで語られノスタルジックな雰囲気ですが、まさしく熱波です。(気温の熱波ではありませんが。)

年老いたヴェントゥーラのナレーションはその時の情熱の出来事を淡々と、ですが昨日のことのように鮮明に語るのです。どんな人にも老いは流行ってくるけど、その人達にも当然若い時はあったわけで、人生後半はその集大成。世代の違う人たちには想像もつかないけど、濃い物語があるのだなぁと。

これ、ほんとに見終わった後にジワジワと余韻。。第1部と第2部が引き合って話がつながり、不思議な感覚。なんにしても熱波と言うものはやっかいです。

原題は「TABU(タブー)」です。ピアノ曲の懐かしいビー・マイ・ベイビーも良かったです。

ヴェントゥーラ役のカルロト・コッタ(Carloto Cotta)は、若い時のジョニー・デップをさらにスマートにした感じでとっても魅力的な俳優さんで、とにかく素敵でした。ポルトガル映画関連で来日もしています。

この後「皇帝と公爵」「ディアマンティーノ」に出演。

今上映中の「ポルトガル、夏の終わり」にも出演しています。

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