フランツ・カフカの「変身」と映画

チェコ

カフカの「変身」は、ある朝グレーゴル・ザムザが目を覚ますと、巨大な虫に変身していたという突拍子もないお話です。

この小説は2002年に映画化もされています。映画は、面白いとか感動とか通り越してすごいインパクトでした。

監督は「変身」が長編デビュー作のロシアワレーリイ・フォーキン。変身後の虫はいったいどんなかと思えば、なんとエブゲーニイ・ミローノフという舞台出身の俳優が、最後まで生身の人間のまま虫になった様子を全身で演じています。

一応シリアスなんですが、その姿には目が点と言うか時には笑ってしまいそうにもなります。そして家族が驚くシーンは、マネキン人形のブラックコメディ・ホームドラマ「オー!マイキー」を思いおこし、またしてもプッと吹き出しそうになるのです。「オー!マイキー」も2000年頃の番組なので、もしかしてどっちか見てた?

決して笑える話しではないものを、監督の意図は分かりませんが噴き出してしまうような部分ありで、そのおかげでずし~んと暗くなることなく見られます。

ですが見終わった後時は、まじめに考えさせられる事の多い映画でした。いろんな場面が後から自分に問いかけてくる感じと言うのでしょうか。

一番思ったのは介護の世界です。映像ではなく本を読んでもそう感じるのかは、子供の頃に読んだだけなので分かりません。多分虫ではなく人間が演じていたから、余計そう思ったのかもしれません。

中身は全く同じ人間ですが、日に日にいろんなことが変わっていくのです。そして周りの人の感情も・・・あの薄っぺらい本に人間の内面をこれほど深く描いたカフカって、すごい洞察力だなと思ってしまいました。

しかし、このグレゴリー・ザムザを演じた俳優さん、映画を撮ってるときはつらい日々だったのではないかと思います。この役になりきるのは撮影のあいだかなりキツそ~です。


探してみると、クリス・スワントンという監督の「変身」もありました。2012年にイギリスで制作された映画で、こちらは虫も出てくるのか??予告を見ると重そうでジャンルもホラーになっているのでちょっと観る勇気が出ません。

だいたい、ジャンルをホラーにするのはダメでしょと思うのですが。


こんな作品を書いたフランツ・カフカと言う人物にも非常に興味があります。プラハのユダヤ人の裕福な家庭に生まれ、母方の祖先には奇人も多いらしく、フランツは自分でも母方の血が濃いと思っていたようです。しかし、奇人ってどんな??謎ですが。

父親からは理解されていないと思っていたようですし、劣等感も感じていたようです。

小説は保険局での仕事が終わってから書いてる毎日で、今もプラハの黄金の小道には小説を書く時使用していた青くて可愛いおうちがあります。

フランツは性格も穏やかで礼儀正しい人だったそうですが、その分内面は爆弾抱えてたのかなとも思ったりして。

プラハに行くと、カフカ博物館、カフカの顔の像、あちこちにカフカに関連するものがあります。

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