イヴァザニッキ(Iva Zanicchi)の「心遥かに」(Testarda io)という曲があります。監督ルキノ・ヴィスコンティ(Luchino Visconti)の1974年の映画「家族の肖像」(Gruppo di famiglia in un interno)のワンシーンでかかります。
映画の中でのこの曲が物凄い物インパクトで頭に残って、その時は誰が歌っているかは分からなかったのですが、ラジオでたまたま曲がかかりイヴァザニッキが歌っているのを知りました。
当時カンツォーネ大全集のレコードにこの曲が収録されていて、見付けた時は迷わず購入し聴いていました。
イヴァザニッキの名前は日本人の私には耳慣れないお名前で、あれ?どこまでが苗字?となりますが、彼女の名前もこの曲も、この先もずっと頭に残り続けると思います。曲だけを先に聴いていたら、この曲はさらっと聞き流していたかもしれません。ですが、映画の持つあの退廃的な雰囲気と、彼女の心に刺さるような歌い方がマッチして強烈な印象を残しました。お互いの魅力が引き寄せあって、魅力倍増という感じです。
この曲を聴くとはるか昔に観たこの映画を思い出しますし、歌詞は分からないですが聴くたびにこの曲に惹きこまれてしまいます。
この曲は元々はブラジルのシンガー・ソングライターのロベルト・カルロスが1972年に作曲した「A DISTANCIA」にイタリア語歌詞を付けたものだそうです。
「心遥かに」は元ジャパンの今は亡きミック・カーン(Mick Karn )が「Sensitive」という題名で曲をカヴァーしています。こちらも上質なポップスで心地良い曲になっています。「Titles 」というアルバムに収録されています。

Iva Zanicchi イヴァ・ザニッキ イタリア
1940年1月18日生まれ
1962年 デビュー
1987年から10年ほどクイズ番組の司会者を務めたり、2004年には欧州議会議員選挙に出馬し、その時は落選したものの2008年に繰り上げ当選して活動。
1974年には前年のアル・パチーノ主演の名作「セルピコ」の主題歌を「Sarà Domani」として歌っています。この曲は散々映画音楽で聴いていたので、やはり映画とはつながらず別物です。
最近YouTubeでこの曲を検索したら、2018年のSanremoYoungの映像が出てきました。16歳くらいのこれまたとっても歌の上手い女のコが最初歌っていて上手さに聞き惚れていたのですが、イヴァザニッキが歌うと別格!この時70代後半のはずですが、声がしっかり出すぎるくらい出ていて衰えは全然感じません。この年齢で当たり前のように歌ってしまう彼女にビックリ。
この映像を見るまで、私にとっては子供の頃から過去の人でしたが、全く違いました。改めて彼女の曲をもっと聞きたいと思ってしまいました。見た感じも素敵なマダム!
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